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​なぜ行動は

繰り返されるのですか?

「なぜこの行動は繰り返されるのか」

この “なぜ” というのは、繰り返される原因はなにか、ということになります。

端的に言えば、

「ある行動は、繰り返されるたびに強められてきた、あるいは進行形で強められているから」

です。

 

??

なんじゃそりゃ。

そんなお声が聞こえてきました。では説明を足してみましょう

例えば、「犬が散歩中に人間に吠える」というケースを例に考えてみましょう

ある犬は、人間が苦手なようです(男性だとしましょう)。

その犬は、散歩中に男性がただ歩いているだけでは吠えないようですが、男性が犬の方をじっと見る声をかける等(つまりこちらに注意を向けると)強く吠えるようです。

 

なぜ、この吠えが起こるようになり、そして“繰り返されるのか” 

結論からいえば、

吠えたことによって過去にどのように役に立ったのか。ということになります

 

※ちなみに「繰り返されるようになる」とはその行動の頻度の増加を表しています。専門的にはこれを「強化」と呼びます。吠えが強化されてきたーそれは単に「見た目が激しくなっている」という意味でなく、頻度の増加です。

お話を戻すと、どのようにそれが役に立ったのか。

吠えたあとに、相手が立ち去ってくれた。

吠えたあとに、相手と接近できた、触れることが出来た、匂いが嗅げた など

つまりは、

その行動をしたことで、行動をとる前の状況と行動をとった後の状況が変化していませんか?

というのが行動分析学という学問が考える “原因” です。

シンプル過ぎて初めは慣れないかと思います

この理屈というのは、「吠え」に限った捉え方ではなく、どんな行動も、あるいは犬だけでなく人間も含むすべての動物が対象となる行動の科学といってもよいでしょう。

行動の原因に関係している大きな部分は、その個体の状態ではなく、環境の変化なのです。

その行動によって、その個体にとって都合の良い環境に変わるならば、その行動は大変に役に立った。ということになります

 

​ごく一般的に行動は、個体の “元々の気質” や “性格”, 犬でいえば犬種というのも同列でしょう。あるいは現在の思考?や状態について言及し、それが原因で起こっていると説明されます。

行動分析学の立場では、行動の「なぜ」について、基本的な捉え方はどんな犬でもどんな行動でも同じです。

ただしそれぞれの犬たちにはそれぞれの “環境” があることでしょうから、原因が一緒、といっているわけではありません。むしろ個体差を見逃さず、しっかりと検証、分析、介入をしていきます。

​まずはお話から。お気軽にご相談ください。

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